五十肩

みなさんこんにちは。
開発担当の森亮一です。

今回は五十肩のお話です。

五十肩は、整形外科では肩関節周囲炎といいます。
つまり関節炎ではなく、関節周囲の炎症なのです。

関節周囲炎って聞きなれない言葉なので少し説明すると、どこの関節も必ず関節包という袋で包まれており周囲から隔離されています。そして関節内だけ軟骨があります。
反対に関節包外には筋肉や腱や神経があります。
つまり関節周囲炎とは、関節に近い関節外の筋肉や腱や神経を含む組織に炎症が広がった状態のことです。

ということで肩関節周囲炎とは、肩の周りの組織に炎症が起こり、肩を動かす筋肉や腱がその炎症に巻き込まれ、肩全体が固まってしまった状態です。

周辺の神経まで炎症が広がると手がしびれることもあります。

実は私も50歳を過ぎてすぐこれになりました。
しかも右肩が終わるやいなや左肩もなり、治るのに合計で3年ほどかかりました…。
痛みで夜も寝れず非常に辛かったのを覚えています。

その頃の私は「忙しい忙しい!」(本当かなぁ?)と言って何も運動をせず、お腹だけ出て貧弱な体でした。
つまり五十肩になるべくしてなったのです。

五十肩は別名四十肩とも言われます。
だいたい40歳~50歳に多いのでそのように呼ばれてますが、要するに若い頃のように運動をやらなくなった40~50台の人に多いので、原因はズバリ運動不足です!

先ほど関節の構造のお話をしましたが、肩関節は他の関節と比べ、色んな方向に動かすことが出来る(自由度が高い)ので、それだけ周囲の筋肉や腱の数も多く、多層構造になっているため、一旦炎症が起こると長期化することも五十肩の特徴です。

肩を動かす組織全体に炎症が広がると、次にそれらが癒着するため、徐々に可動域が狭くなり腕が挙がらなくなってきます。
しかも、肩関節は腕がぶら下がっているので、腕の重量分だけわずかに力を入れていることもズキズキした痛みの原因になっています。
この安静時の痛みが強い人は、三角巾やアームスリング等で腕を吊ると少し楽になります。

さて、この長くかかる五十肩の治療ですが、まず痛みの強い急性期は出来るだけ安静が必要です。

「動かさないと固まるよ」と周りの人に言われて、痛いのにストレッチを頑張った結果、余計に痛くなった人もいると思いますが、炎症の急性期は五十肩に限らず、まず安静です。

確かに、徐々に腕が挙がらなくなってくるので、そうならないように動かすべきという意見もありますが、医学的には炎症の峠を越すまではやはり安静が必要で、峠を越す前に無理をすると悪化することが多いです。

この場合の安静とは、痛みの出る動作や角度に注意するということで、痛みの出ない動作は特に問題ありません。
ただ、この急性期が他の炎症に比べ非常に長くかかるのと、痛みが強い人もいますので、あまりに痛みが強い人は、痛み止めやシップも有効ですが、やはり整形外科へ行って注射してもらったりリハビリを受けた方が良いでしょう。

そんなこんなで数か月が過ぎると、やっとこの急性期が慢性期へと変わり、痛みも少なくなってきます。

安静が必要な急性期が過ぎ、痛みの少ないこの慢性期からストレッチを始めるのですが、自分でできる簡単な方法は、昔からよくやられていた「アイロン体操」というのがあります。
アイロンのような少しずっしりした物を持って、体を前へ倒し、前後に腕を振る体操です。
徐々に振り子運動の幅を広げることて可動域を広げていきます。

ストレッチをやらなかった人は、やった人に比べやや可動域は悪くなりますが、これまで通り普通に過ごしていても徐々に腕は挙がるようになり、日常生活に困らない程度まで可動域は戻ってきます。
この慢性期の時期も数か月ほどあるので、ストレッチだけでなく、弱った筋肉を復活させるための筋トレも同時に頑張りましょう。

こうして長く辛い五十肩の旅は終わります。

五十肩の痛みや可動域制限の程度は人それぞれで、私の場合は、本格的な五十肩を経験する前に、Tシャツを脱ぐときに肩が痛かった時期があったので、人によっては軽く済む場合もありますし、まれに繰り返すこともあります。

こんな辛い五十肩にならないように、みなさんは日頃から体を動かして関節を守っていきましょうね。

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