みなさんこんにちは。
開発担当の森亮一です。
今回はへんてこな名前の病気「ガングリオン」のお話です。
何となくイカツイ言葉ですが、ちゃんとした病名です。
手足にできる腫瘤(しこり)の一つで悪いものではありません。
徐々に大きくなるので、たいてい「ある日突然気づく」というパターンが多いです。
特に手に出来やすく、その中でも圧倒的に手首に多いのが特徴です。
その他では、手のひらの指の付け根あたりに米粒ほどの大きさのものが出来ることもあります。
しこりは皮膜で包まれており、中身は関節液などが濃縮されたゼリー状の液体が入っています。
つまり、ただの液体の玉です。
神経の近くにガングリオンが出来ると、神経が圧迫されて痛みが出ることもあります。
はっきりした原因は不明ですが、いつもより手を使ったり動かしたりすると、その影響で関節液が増えたり、腱が通っている腱鞘の滑液が増えたりすることでガングリオンが出来ます。
検査は、レントゲンで骨に異常がない事を確認した上で、超音波検査で皮膜の内部が均一に写り、その下部に超音波の増強効果があればほぼ確定です。
治療は中の液体を注射器で抜くことになりますが、そうしなくても、しばらく局所を安静に保つことで自然に縮小します。
ある程度の大きさであれば、ガングリオンを強く押し潰す「圧砕法」という治療も可能です。
押し潰してしまえば皮膜が破裂してバラバラになるので再発が少ないです。
しかし、たまに再発を繰り返す人もいるので、根治を希望する人にはガングリオンを切り取る手術をします。
悪い腫瘍でもないのに手術をするのは何とも忍びない気がしますので、まずは出来るだけ局所安静で様子を見るのが良いと思います。
以上、ガングリオンのお話でした。