学会でのお話④

先進国の中でも、日本の死者数は特に少ないことは皆さんもご存知かと思いますが、その理由として日本の医療水準の高さ皆保険制度が挙げられます。

ところが、最近の疫学調査では、ほとんどの先進国でコロナによる死者数が徐々に減っているのに対し、日本は逆に増えているそうです。

この理由として、尾身氏を中心とする専門家の見解は「不十分なリスクコミュニケーション」と結論付けています。

不十分なリスクコミュニケーションとはどういうことか…?

 

専門家が出した今回のパンデミックの発生源は「飲食店」でした。

つまり、発生の順番としてはまず広い意味での飲食店(レストラン・ライブハウスなど)でクラスターが発生し、その後に医療施設や老人施設でクラスターが発生しました。

海外でも、感染拡大が落ち着いてきた段階で休業していたレストランが再開し始めたら、また感染が拡大しました。

この事実を専門家たちが国民に伝えようとしても、実際には感情論が出てしまい正確に伝わりませんでした。

今後予想されるリスクに対して、前もってすべての人に分かりやすく情報を伝え、経済的にもどのような対策が必要かなどを十分話し合っておけば、ここまで長期化することもなく、余計な感情も出ることがなかったと思います。

まさに不十分なリスクコミュニケーションです。

 

人間は、不安要素が長期化すると懐疑的になり、同調する仲間を増やしてそれ以外の集団と敵対するようになります。

今回のパンデミックでも、初めのうちは医療関係者に対する感謝の言葉が多かったですが、後半は一部の病院や尾身氏を非難する意見まで出るようになりました。

何事もコミュニケーションて大事ですね。

 

未来永劫コロナウイルスは消えることはありません。

従ってこの戦いが無くなることもありません。

「進撃の巨人」の最終話ではありませんが、コロナとの戦いは永遠に続きますし、未来にはコロナ以外の病原体との戦いも始まるでしょう。

それらを乗り越えるたびに人類は知恵と力を獲得していくのだと思います。

昔から言われている「ウイルス感染が人類を進化させる」という説も、あながち間違ってないような気がします。

終わり。

関連記事

  1. 足のむくみ

  2. 肘内障

  3. 学会でのお話②