みなさんこんにちは。
開発担当の森亮一です。
今回は靴擦れのお話です。
最近の靴は性能の良いものばかりで、昔のように靴擦れになることは少なくなりましたね。
でもやはり美しさやオシャレを追求した靴はどうしても靴擦れになってしまいます。
というわけで、先日妻が久々の靴擦れになりました。
今回はそんな靴擦れの治癒過程をお伝えしたいと思います。
まずこの画像は、靴擦れになった初日の状態です。
アキレス腱部分に、1.5×2cmの水泡(水ぶくれ)があり、周辺に発赤があります。
この靴擦れが靴擦れとしては典型的なタイプだと思います。
傷になっている部分は赤く色の濃い部分ですが、周りが赤くなっているのは炎症が広がっている証拠です。
このように、靴擦れは意外と炎症の範囲が広いのも特徴です。
今回の傷は特に汚れてないので、きれいに洗浄した後にワセリンのみでも良いと思いますが、一般的に足は汚れやすい部分なので、初日と翌日のみゲンタシン軟膏を使用します。
画像では痛そうに見えますが、本人は「意外と痛くない」と申しておりました。
靴擦れの原因は、靴側から考えると足に合っていない事が原因ですが、足側から考えると骨の出っ張りや圧迫による血流障害が原因です。
圧迫も、垂直に圧迫するのではなく、擦るように圧迫することで結合組織が破壊され強い炎症が起こります。
赤ちゃんの足のようにふっくらとして丸みのある足で、しかも柔軟性があれば、履きなれない靴でも足の方から靴に合うので靴擦れはなりにくいですが、痩せている足の人は骨の突出した部分が多いので靴擦れになりやすいです。
足の形状は変えることが出来ないので、履きなれるまでは滑りの良い靴下やストッキングを利用するか、テープやカットバンなどをあらかじめ貼っておくのも効果的です。
そして、その後3日目の画像がこれになります。
初日と翌日は感染防止でゲンタシン軟膏を使用しましたが、現在感染の兆候もありませんし、今後もその可能性は低いのでテラコートリル軟膏に変更しました。
画像をご覧頂くと分かりますが、中心の水疱の部分は乾燥して治りが早いですね。
しかし、周辺の発赤は相変わらず続いており、範囲もあまり変わっていません。
恐るべし靴擦れ!
テラコートリル軟膏も、傷の部分だけでなく発赤のある周辺まで広範囲に塗るのも効果的かと思います。
もうしばらく軟膏を使いながら様子を見てみましょう。
そして、5日目になりました。
ご覧頂くように、少し浸出液があったせいかカサブタが出来ました。
本人に聞いたら「痛くなかったからカットバンを貼ったのは3日間だけ」で、後の2日は何も貼らずにいたそうです。
前回の処置の方法に比べて後半は少し手荒な感じですね…。(苦笑)
しかし周辺の発赤は縮小していますので、全体的にはもちろん軽快傾向です。
この感じであればこのまま治癒していくので、後はワセリン等で保護していけば良いと思います。
もう少し時間がかかる場合が多いですが、今回は比較的早く治りました。
靴擦れの発生機序は、寝たきり老人の床ずれによく似ています。
圧迫に加えて、横方向へのズレや摩擦が炎症を酷くさせるので、これらの対応がカギになります。
私的には、傷が出来たときに貼る防水フィルムが圧迫と摩擦を少なくしてくれるので靴擦れ対策にはベストかなと思っています。
普通に薬局でも手に入るので一度お試しください。
以上、靴連れの治癒過程についてでした。