運動器不安定症

みなさんこんにちは。
開発担当の森亮一です。

今年は10月に入ってから急に寒くなって、いつものような秋を感じることがありません。
寒くなってくると、転倒して腰や膝を打って整形外科を受診する人が増えます。

そこで、今回は運動器不安定症についてのお話させて頂きます。

以前にロコモーティブシンドロームフレイルのお話をしたと思いますが、運動器不安定症はそれらの同義語になります。
文字通り、体を動かすための器官(筋肉や関節)が弱くなって不安定になる病気の事です。

学術的な定義は「高齢化にともなって運動機能低下をきたす運動器疾患により、バランス能力 および移動歩行能力の低下が生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態」です。(日本整形外科学会HPより抜粋)

先日も、私の知り合いの人がスーパーで転倒し動けなくなったので、救急車で病院へ運ばれ、そのまま入院されました。
知人から話を伺うと、その人は今年に入ってから徐々に歩けなくなり、バランスを崩してよく転ぶようになったそうです。
お年は90歳。

運動器不安定症は疾患として扱われているので、以下のように診断基準もあります。

下記の、高齢化にともなって運動機能低下をきたす11の運動器疾患または状態の既往があるか、または罹患している者で、日常生活自立度ならびに運動機能が以下の機能評価基準に該当する者

機能評価基準
1 日常生活自立度判定基準ランクJまたはAに相当
2 運動機能:1)または2)
1)開眼片脚起立時:15秒未満
2)3m timed up-and-go(TUG)テスト:11秒以上

高齢化にともなって運動機能低下をきたす11の運動器疾患または状態
1.脊椎圧迫骨折および各種脊柱変型(亀背、高度腰椎後弯・側弯など)
2.下肢骨折(大腿骨頚部骨折など)
3.骨粗鬆症
4.変形性関節症(股関節、膝関節など)
5.腰部脊柱管狭窄症
6.脊髄障害(頚部脊髄症、脊髄損傷など)
7.神経・筋疾患
8.関節リウマチおよび各種関節炎
9.下肢切断後
10.長期臥床後の運動器廃用
11.高頻度転倒者
注:日常生活自立度ランク
  J:生活自立  独力で外出できる
  A:準寝たきり 介助なしには外出できない

この診断基準の機能評価の部分は、片足で立ったり、椅子のまわりをグルっと回ったり、ほぼ脚力の評価になります。

そして、その後のずらっと並んでいる疾患名を見ても、ほとんどが下半身の病気ばかりです。

つまり、下半身の弱さが運動器不安定症のきっかけになるということです。

おそらく多くの人は高齢になるにつれ、出来るだけ楽に過ごす方法を考えると思います。

しかし、そこが落とし穴で、実は高齢者ほど普段から全身に力を入れる訓練をする必要があるのです。

全身の力を抜いて楽をしていると、徐々に筋力が落ちてしまい、気が付いた時には「立てない・歩けない」状態になってしまいます。

クランディーの「ニートレくん。」を商品化しようと思ったのも、コロナ禍で高齢者が外出しなくなり、歩けなくなった人が増えたからです。

そうなる前に、是非皆さんも下半身を中心としたリハビリ・筋力訓練を頑張ってください!

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