みなさんこんにちは。
開発担当の森亮一です。
腰痛や関節痛で病院(整形外科)へ行くと、診断の結果「安静にしてください」と言われることが多いですね。
「安静って、じゃあ寝とかないといけないの!?」と思ってしまう人もいるでしょう。
この安静とはどういう事なのか?
そこで今回は安静についてお話したいと思います。
医療現場で使う安静には、実は段階的に表現することが多く、この段階を安静度といいます。
ほぼ横になったままの絶対安静から、患部だけを動かさないようにする局所安静(相対的安静)まで、非常に幅広く使われます。
広い意味があるだけに、指示される患者側からすると詳しく説明してもらわなければ分かりませんね。
例えば、内臓の大きな病気で入院した時や、大きな骨折で手術を受けた場合などは、しっかり体を休めて体力を温存する必要があるので、絶対安静もしくは安静臥床という言葉を使います。
この絶対安静とは、ベッド上で常に横になるという事で、全身の力を抜いた状態です。
全身の力を抜くことで、体力を免疫系や修復系に全フリすることが出来ます。
病気や怪我が少しずつ回復し、体力が戻ってきたら安静度も緩めていくので、自力でトイレまで歩いて行ったり、廊下を歩くことも出来るようになるので、その場合は病棟内歩行可という言葉を使ったりします。
病院によっても表現の仕方は変わりますが、もっと細かな言い方としては、ギャッチアップ~度まで・端座位可・ポータブルトイレ可・車椅子移動可・歩行器歩行可・院内フリーなどがあります。
徐々に体力が戻ってきて、めでたく退院出来たら次は自宅療養になりますが、怪我の場合はまだ患部を酷使出来ないので、その場合は局所安静になります。
局所安静とは、患部周辺の筋肉をあまり動かさないようにすることです。
足の場合は、車椅子や松葉杖を使うことで局所安静になるので、松葉杖で歩行したとしても局所安静は守られます。
特に足首を捻挫した時に「しばらく安静にして下さいね」と言われた人も多いと思いますが、この場合はまさにこのことで、家でじっとしていなさいという事ではなく、患部とその周辺を動かさなければよいのです。
次に、腰痛の場合も「安静にしてください」と言われることが多いですが、腰は体の中心なので、ここを動かさないようにするにはやはり横になるしかありません。
ですが、骨折とか余程の病気でない限り可能な範囲で動いても問題ありませんので、腰痛の場合は動いでも痛みを我慢出来る程度が安静といえます。
そして、首や両腕などの上半身の安静は局所安静が基本なので、それぞれ極端に前後左右に動かさなければ安静と言えます。
以上のように、安静という言葉は非常に曖昧な言葉なので、伝える側と伝えてもらう側の解釈をしっかり合わせておく必要があります。
もし自分が何かの病気になった時や怪我をした時は、ご自身の仕事の内容(通勤手段・作業内容など)や、学生さんで部活をしているのであれば、その時の動きを必ず主治医に伝えて、安静度とその期間を判断してもらうのが良いと思います。
以上、安静についてのお話でした。