みなさんこんにちは。
開発担当の森亮一です。
前回、約2週間の創治癒過程をお伝えしましたが、今回は傷の治療において一般的なお話をしたいと思います。
昔の病院での傷の治療は、まず「傷をぬらさない」、「イソジンで消毒」が基本でした。
昔はずっとこれでしたので、これも間違いではありませんが、現在はどちらも当てはまりません。
当ブログでもお伝えした通り、まずしっかり傷を洗うことでバイ菌も洗い流されるのでイソジンなどの消毒液を使う必要はありません。
もちろん泥水や土が付着した汚い傷の場合はイソジンで消毒をしますが、一般的には上記の方法で十分です。
(ちなみに、巷で傷の大きさを表現するのに「~針縫った」とよく言いますが、細かく丁寧に傷を縫えば当然針の数は多くなりますので、縫った糸の数で傷の大きさは分かりません)
傷を治していく過程で、病院では状況に応じていろんな薬剤を使用したり専用の被覆材を使ったりしますが、最も重要なのは感染(化膿)させないことです。
昔でいう赤チンやヨーチンを塗ったり、消毒液を塗るだけの処置では不十分で、その場合は周辺の皮脂に残っている菌が内部に侵入して感染してしまいます。
出来れば皮脂を落とすために石鹸で洗うのが望ましいです。
石鹸が少しくらい傷に入ったとしても、その後すぐ洗い流されるので害はありません。
傷の処置の要点を以下にまとめました。
受傷直後の傷の状態の確認としては、
①傷内部や周辺に汚れが残ってないか?
②出血は止まっているか?
処置中の確認としては、
①痛みが前より強くなってないか?
②周辺の赤みが強くなってないか?
③浸出液(黄色い汁)が増えてないか?
④周囲から中心へ上皮化が進んでいるか?
治療終了の目安は、
①触っても痛くないか?
②浸出液は出ていないか?
③上皮化が完了し角質化しているか?
清潔で丁寧な処置を行なうことで傷跡も残りにくく痛みも無くなるので、決して適当に済まさず、きちんと処置をするように心がけましょう。